本にある《痕跡》

《痕跡本》という言葉をご存知ですか?
《こんせきぼん》と読みます。

古本を買った時に、前の持ち主が書いたと思われる線やメモが残っていたり、しおりがわりの何かが挟まっていたり…

そんな本を、痕跡本と言うそうです。
(痕跡本について参考にした本を最後に紹介しています。興味のある方はそちらを見てくださいね!)

前の持ち主が、どんな思いでこの一文にラインを引いたのか、どんな経緯でそれを本に挟んだのかなどを、想像&妄想して楽しむのだそうです^ ^

なるべくきれいなまま本を楽しみたい、という考えで本とお付き合いしてきた自分にとっては

世の中には、色んな楽しみ方があるんだなあ!(ʘ╻ʘ;)

と目からうろこが落ちたのでした。

文庫本・シュニッツラー「女の一生」の表紙の写真
みんとしょたうにある、シュニッツラーの「女の一生」
裏表紙に、マジックで「今日の我に明日は勝つ」と書かれている。痕跡本。

 

絵本へのぐるぐる描き、みんな経験ありますよね😅

今はすっかり大人に近づいてきている我が子ではありますが…
小さい頃は、読み聞かせをしようと買ってきた本のかどっこをかじったり😅、いつのまにかペンでぐるぐる描きをしていたりしたものです。

その頃は「やられた!」と思っていたのですが、10年以上過ぎた今となっては、それが昔話の笑いのネタとなったり、手放せない大切な思い出の本になったりしています。

子どもが本を齧りながらぐるぐるがきをしているイラスト

 

子どもと作る《本のあしあと》

最初に、痕跡本のお話をしました。

今振り返ってみると、我が子がかじったあの絵本は、ある意味立派な痕跡本🤭
もちろん、借りた本に書きこんだりすることはよくありませんが、自分たちの本であるならば

子どもと作る本のあしあと
子どもと一緒に育つ本


のように考えてもいいのかもしれません。

子どもからしてみたら、もしかしたら「ここが好き!」を伝えていたり、自分の考えを残そうとしたりしているのかも。

時にはいたずらで何かを書いたりすることがあると思います。
その時は一旦それに乗っかって「ここが気になったんだね!」と子どもの視点を知るきっかけとして話題を広げてみても楽しそう^ ^

本に何かを書くことが当たり前になってしまうのでは?と心配であれば

・話して理解できる年齢の子どもには、「この本は借りている本だから、書きたい時はこっちの紙を使ってね」などを事前に伝えておいたり、書いてよい本を決めておいたりする

・ことばの理解がまだ難しい年齢の子どもの場合は、書いてほしくない本を読む時には筆記用具をしまっておく

などの工夫をしてみてくださいね。

大人だって書いていいんです

大人になると、無意識に「本は綺麗に使うもの」と思っていることが多いのではないでしょうか。

でも子どもと一緒に読んでいる時に、「私はこっちが好き!」と「❤️」を書いたって、実はいいんですよね。

そんなふうに子どもと一緒に書きこむことを楽しんでみたり、時には大人向けの本で気になる部分に線を引いてみたり。

その時その時の思いのままに、線を引いたりことばを書いたりすることは、自分の思考や気持ちを整理することにもつながります。

何年か後に、「あの頃はこんなふうに感じていたのかな」なんて振り返ることになるかもしれませんね。

本を汚す
ではなくて
本と自分、本と子ども、そして本と子どもと自分との共同作業として、本にあしあとを残す

そんなふうに考えてみると、少し世界の見え方も変わるような気がします。